ある不動産会社のはなし

就職活動をしていたころの話なので10年程前になってしまうのだが1社だけ不動産業を受験したことがあるのでその話を。

リクナビをなんとなくポチポチしていたらある不動産会社のセミナー開催のお知らせに辿り着いた。

「就職活動の極意教えます。」

正確なタイトル名は覚えていないが、こんな感じのキャッチコピーだったと思う。

つまるところこの会社の人事担当者が学生時代に20社以上の内定を獲得したのでその経験を伝授する、みたいな内容であった。不動産会社のセミナーではあるが面白そうだったので参加することにした。

参加するのはいいがセミナーの開催時間が19時くらいだったので、さすが不動産だなくらいに感じていた。

肝心の内容だが、どちらかというと会社の紹介に重きを置いておいた気がする。会社紹介と社員の紹介と班分けして質疑応答。内容自体はオーソドックスだったが、担当者はさすがに20社以上から内定を得ていたこともあり話は上手かった。当時26歳だったが本人曰く1,200万もらっていたらしい。

最後にアンケートに面接受けますかと書いてあり出口で担当者に渡す方式で、なんとなく×を付けづらいと思いとりあえず〇をつけて提出した。

後日、面接が行われたが、渋谷の道玄坂の近くだったセミナー会場と異なり、面接会場は丸の内のビルの1フロアだった。どうやら移転したばかりだったそうで、お祝いの花輪がいくつも並べられていた。

面接はテーブルを囲む形の6人の集団面接で意図はよくわからないが学力的に同じくらいの大学の学生が集められていた。一次面接ということだったが、いきなり社長が出てきた。いきなりディズニーランドにいる女は○○ばっかとか、同じ面接を受けている別の子に君かわいいねーとか言ったり、ただの変なおじさんとしか思えなかったが、丸の内にオフィスを構える会社の社長なのだから仕事はきっちりする人なのだろう。（最も面接も仕事ではあるが）

当の私の面接はどうだったかというと、前の人が君の夢は何だと聞かれ、一番の営業マンになることですと言ったので、私も一番の営業マンになりたいですという見え透いた嘘を言ったら「じゃあなんで君は○○高校○○大学っていう中途半端な経歴を歩んでいるの？」と言われ見事に撃沈した。

それから約10年経過したが、その会社は当時はある不動産会社の一加盟店に過ぎなかったが、それから一部上場を果たし今では売上一兆円を目指す企業にまで成長した。その社長は今も社長で役員報酬と配当金を合わせて30億円の収入を得るほどの富豪にのしあがった。

という思い出話でした。印象的だったので書いてみました。